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「KAGOMEらしさ」を追求したコミュニティ。ファンを中心に据えたマーケティング戦略に迫る

これまでのコミューンブログでは、コミュニティ概論海外ユーザーコミュニティ事例について数多く発信を行ってきましたが、今後は国内でユーザーコミュニティ施策に取り組まれている方々へのインタビューも実施していきます!

今回は、カゴメ株式会社 マーケティング本部広告部 水野 慎也さん、田口るみこさんです。現在会員数3万人を誇るカゴメのファンコミュニティ「&KAGOME(アンドカゴメ)」をリードするお二人にコミュニティ立ち上げの経緯やコミュニティ運営の知見をお伺いしました。

水野 慎也さん
カゴメ株式会社マーケティング本部広告部宣伝グループにて、デジタルマーケティング責任者として、市場や顧客データを分析するダッシュボードなどの構築を推進。2015年4月ファンコミュニティサイト &KAGOME を立ち上げ、企画立案やコンテンツの作成など運営に携わる。2019年4月にオープンしたカゴメ野菜生活ファーム富士見では、工場見学展示の企画に携わった。同社への入社は1991年、21年間IT部門に所属したのち現職に至る。

売上鈍化を機に売上の3割を占める2.5%のヘビーユーザーに注目

ー コミュニティ施策の立ち上げの背景について簡単にお伺いしてもよろしいでしょうか。

2013年の当時、カゴメは野菜飲料を中心として全社的に売り上げが鈍化していた時期でした。「ここで手を打たないと」という危機感がありました。そんな中で、過去の売上データにおける「2.5%のヘビーユーザーが売上の3割を占めている」という事実に注目しました。

(カゴメ調べ)

その事実に基づき、新規顧客獲得を狙いとした施策を打ち出すよりも、既にカゴメの商品に価値を感じてくれているファンの方と向き合い、継続的にカゴメの商品を使っていただくための施策を取ろうという方針になりました。

ファンコミュニティ立ち上げの検討が本格化し「ヘビーユーザーと継続的な接点を持つファンコミュニティが必要」という認識のもと、「どのようにコミュニティを具現化するか?」を検討しました。これら一連の構想は経営の会議体にも付議され、経営陣とも「コミュニティがカゴメとして大切だ」というメッセージを共有していました。

以下の図のように「カゴメファン」を「カゴメの商品の購入金額だけでなく、カゴメブランドへの愛情が非常に高いお客様」と定義し、どのように「カゴメファン」を維持拡大していくか?という検討から出発しました。

ー 事業戦略上の意思決定がコミュニティ立ち上げの背景にあったんですね。 もう少し当初の現場の状態、特にチームや社内への理解形成などの状況について教えていただけますか?

コミュニティ立ち上げに対しては、2014年にデジタルマーケティングの組織とWebマーケティング全般で担当者がアサインされ、同時にコミュニティ立ち上げも兼務しました。2015年に私が加わり、兼任の2名体制でコミュニティを開設し約5年同じ体制で運営しています。

社内推進に関してですが、先程の戦略の起点の話の通り、単なる「コミュニティづくり」というよりも「全体の事業戦略」を描きながら経営陣をはじめ関係各所とは対話をおこなってきました。

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ストックとして中長期的に価値のあるコンテンツを提供する

ー コミュニティ内ではユーザーとの様々なコミュニケーションが行われていますが、どのような企画が特にうまくいったのでしょうか?

そうですね…やはり基本的には当然ですが「トマト」に関係するテーマや投稿の反応がいいです。お客様も「トマト」に関する情報やレシピをまずは期待してコミュニティを訪れるかと思います。その中でもキラーコンテンツは「トマトの苗」でしたね...。(笑)こちらは&KAGOMEユーザーの方限定でトマトの苗をお届けする応募企画です。

&KAGOMEが1周年を迎える時から毎年実施しているのですが、 プレゼントキャンペーン以降も栽培や収穫に関するテーマに繰り返し閲覧・投稿をおこなっていただける、優良なコンテンツとなりました。

一つのコンテンツを配信すると、SNSのように配信直後の数字が気になってしまうものですが、コミュニティ内のコンテンツはフローというよりストックとして中長期的に価値をもたらすものだと考えています。

他では「こたつキャンペーン」も好反応でした。こちらも&KAGOMEユーザーの方限定の応募企画です。「こたつで楽しみたい冬のカゴメ商品」を選んでいただいた方へカゴメの商品をお届けしました。休眠ユーザーへも伝わり活性化につながりました。他のキャンペーンと比較し際立って応募数が多いキャンペーンでした。やっぱり「こたつ」という語彙から感じられるほっこりさや季節感がよかったのか、応募終了から時間が経過してもキャンペーン投稿に対してリアクションを継続的にいただけています。

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会社全体で「面白い」コンテンツを提供した結果が高いNPS獲得に結実

ー コミュニティ施策を通じて、どのように成果指標を設定していたのでしょうか?

コミュニティ施策をはじめた当初から、毎年NPS測定と定性アンケートを実施しています。 メルマガやSNSなど他の接点でも同様の調査を行っていますが、やはり&KAGOME所属ユーザーのNPSは相対的に高い数字を継続的に出していますね。

活動KPIとしては「アクション率」を見ています。ログインやいいね、投稿などのコミュニティ内でのアクティビティを示す数字で、平均として約10%を推移しています。毎日/毎月その数字を見て一喜一憂するというよりは、年間計画のもとで大きく下回っていないかをチェックするという形ですね。

数字のためというよりも、ファンの方々にとって面白い、為になるコンテンツを作るということを重視しています。数字はその結果でしかありません。 読みものとしての長めの記事に加え、クイズやレビューなどのライトに参加できるコンテンツを継続的に作成/発信しています。「そのままのカゴメを見せる」ということも意識しており、各部署の社員のインタビューや工場の様子なども公開しています。

(&KAGOMEユーザーとの「カゴメ野菜生活ファーム」体験会の様子)

ー 社内を巻き込んだコンテンツを積極的に発信しているのですね。

そうですね。順風満帆のように聞こえますが、コミュニティ立ち上げの当初は結構苦労もしました。

誰もコミュニティのことは知らない状態なので、社内通達を行うとともに、個人的に知り合いの社員に「お願いだから、&KAGOMEの「カゴメ便り」に出て!!」と拝み倒してインタビュー記事を作成してもらったり、「中の人が語る商品の活用方法」という特集を作ったり...。草の根活動を通じて段々と認知が上がっていきました。

今では、コミュニティの存在は社内でも知られており、「新しい商品なのですが、コミュニティでファンの皆さんに意見を聞いてもらえませんか...?」と声をかけられるようになりました。やはり、ファンの集うコミュニティだからこそ安心して色々聞けるということに加え、小回りよくスピーディーに反応が見られる点で重宝されているのだと思います。

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「広げる」と「深める」で歩むファン化へのステップ

ー 他のマーケティング施策の中でコミュニティはどう位置づけられているのでしょうか?

「ファン化へのステップ」として、お客様との様々なコミュニケーションの接点を以下のように整理しています。

ユーザーへのアプローチにおいてやることは二軸あって「広げる」「深める」だと考えています。「広げる」とはSNSやマス媒体を通じて多くの方へ刺激や体験を届けること。「深める」とは認知から購入、そしてファン化まで、コミュニティやリアルイベントを通して関係性を深化することです。

「&KAGOME」は図における準優良客から優良客に対しての「深める」施策ですね。LINEをはじめとするSNSやマス媒体などは「広げる」施策だと思っています。「広げる」なら新規顧客の創出、「深める」なら既存顧客のアップセルなど目的が異なりますので、「広げる」と「深める」で発信するコンテンツやチャネルは使い分けていく必要があると考えています。

&KAGOMEのユーザーは、SNSを駆使してドンドン他人にシェアしていくという方が特別多いわけではなく、SNS拡散は期待しつつも、その役割は他のSNSチャネルへ役割分担しています。先ほど申し上げました、&KAGOMEユーザーにとってカゴメブランドが「自分は興味があり、自分の生活を豊かにする」とは感じてもらえていることを「ストック」としてコンテンツ化し、他のSNSチャネルを通じて「他人の生活をも豊かにできる」ような発信ができればよいなと思っています。

ー コミュニティ施策とSNSそれぞれで最適なコミュニケーションは異なりますか?

細かい部分でいえば、TwitterをはじめとするSNSは投稿する文字数が少ないので表現の幅が限られますが、コミュニティの投稿の場合にはコミュニケーション内容にこだわることができます。

正直なところ、SNSと&KAGOMEの「これがベストプラクティス」と言えるコミュニケーションの使い分けは分かっていません。ただ、媒体ごとに期待する成果指標が異なるとは言えますね。

実際、カゴメ公式LINEは約460万人、&KAGOMEは約3万人(2019年12月現在)の方と繋がっており数字上は大きな開きがあります。 カゴメ公式LINEは一つコンテンツを投下するだけで十分認知獲得に有効ですし、コンテンツを見た一部の方にシェアいただくだけでも総計で大きなインパクトがあります。一方で、約3万人のファンコミュニティに対して同様の配信を行っても、目に見える効果は現れにくいですよね。

それでも、コミュニティは「コアのファンと長く、深く付き合う」という、カゴメに合ったやり方で運営を継続することを重視しています。目には見えにくいですが「コアのファンと向き合う」ことでしか得られない発見や、社会に対する影響力があると実感します。



ー たしかに、数字だけで見るとすぐ短期的な「結果」に目が向いてしまいますね。

コミュニティならではの一体感がファンとカゴメとの間に、またファン同士で生まれる場合もあります。そしてそれが思ってもみない結果につながったりする。(笑)

「ベビーリーフ簡単レシピの画像投稿キャンペーン」というものをコミュニティ内で行ったことがあります。ピザなどにベビーリーフをささやかに添えたレシピ画像が投稿されていくだろうなと想像していたのですが、中には味噌汁にドンと乗せるレシピも投稿されるなど、企画側も予想しないアレンジが生み出されていました。

ファンの方の熱量が伝わるということで、それらのレシピ画像の一部は、店頭にて「&KAGOMEのユーザーさんが作ったレシピがこちら!」と掲示活用されることとなりました。ファンとともに価値を創り上げることができた例ですね。

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ー 今後のコミュニティを含めたマーケティング施策全体の推進について、どのようにお考えでしょうか?

先ほどファン化へのステップとして「広げる」と「深める」の2軸があるとお伝えしましたが、今後は「広げる」から「深める」の単方向だけでなく「広げる」⇔「深める」の好循環をより多く回していけたらと考えています。

&KAGOMEをいつもご覧になっている方や、イベントに参加されているファンの方でも、当たり前ですがLINEやTwitter等のSNSからKAGOMEの発信に触れる機会もありますし、そのファンの方々が情報発信側に回る場合もあります。「深める」と「広げる」を相互に行き来しながら、コミュニケーションがとられるわけです。

そのためには、チャネルを直線で捉えた「チャネルごとのコミュニケーション方法」を別で考えるよりも、都度「施策の目的に合致するチャネルは何か」を考える必要がでてきますよね。その意味では、コミュニティもユーザーとコミュニケーションを行う一つの媒体/チャネルでしかないとは思います。

ただ、変わらないのはコミュニティを通じて私たちが接しているのは、カゴメのことが好きで、カゴメの商品が生活を豊かにすると感じてくれているファンということ。だからこそ得られる反応やご意見もある。そういったファンの皆さんとこれからも“KAGOMEらしい”コミュニケーションを続けていきたいと思います。

ー コミュニティ施策の根底には「KAGOMEファンと中長期的に関係を構築することが大事」という想いがありつつも、やはりコミュニティだけでなく事業戦略全体を見ることがKAGOMEとしての継続的な価値創造に繋がる、ということですね。本日はありがとうございました!

ありがとうございました。



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commmuneでは専属のカスタマーサクセス担当データサイエンティストが両輪でコミュニティ立ち上げ、運用を支援。管理保守はコミューン社が行うため、限られた担当者リソースは戦略検討など前向きな業務に集中していただけます!

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